アイスを求めて三千里
9/11、井村屋のアップルパイバーが今年も発売される。
今年の春頃に、近所のドラッグストアで見切り品コーナーに売られていたので、軽い気持ちで購入したのが始まりだった。
(他にも冬の口溶けを謳っているチョコレートアイスなど、春向けではないアイスと一緒に雑に陳列されていた)
しかしいい意味で予想を裏切られた。
アップルパイなんて数年食べていないが、あれはアップルパイそのものだ。
リンゴのゴロっとした食感と、加熱をされた果物特有の甘さ。
それを引き立てるように控えめな甘さのカスタードクリーム……。
次もあったら絶対に買おう!!!と決めたが、「次」は来なかった。
大学時代の体育の教授が「明日やろうは馬鹿野郎だ」とよく言っていたが、まさか10年ごしに身にしみるとは。
因みに部活の顧問でもなければ、スポーツの強豪でも何でもないただの体育の授業だった。
そんなことより、その為11日の仕事帰りはアップルパイバーのことしかなかった。
仕事中は帰りにどのスーパー、コンビニを回ろうとルートを頭で練ることばかりしていた。
そして最寄り駅の改札を出た瞬間、頭の中にスタート音が鳴り響く。
駅前のコンビニ、小規模なスーパー、コンビニ②、ドラッグストア、コンビニ③、ドラッグストア②………………
駄目だ、どこにもない。
しかし諦められなかった私は、翌日の帰り道に更に通いコンビニ④、小規模なスーパー②、コンビニ⑤、コンビニ⑥を周ったが全敗した。
何故だ
私はただ、井村屋のアップルパイバーが食べたいだけだ。
まだ残暑が厳しい中、アイスを求めて三千里をしたOLに、勝利の女神が微笑むことはなかった。
因みにどうしても諦められず、井村屋の通販を覗いたら10本1720円で売っていた。
しかし(確か)5000円未満は送料が1000円くらいかかる。
これを期に5000円を使い、井村屋の沼にハマるか、割りと本気で悩んでいる。